風の気のままに記

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 梅一輪 一輪ほどの あたたかさ

<<   作成日時 : 2008/03/09 16:02   >>

トラックバック 0 / コメント 16



 頑ななまでにじっと小さいまま寒さに耐えていた花芽が漸く膨らみ初めても、一向に寒さが緩む気配はなく、春は足踏み状態だった。
 その蕾がやっと膨らみ、3月4日に一つ開いた。

画像

画像

画像


 梅が咲くと、誰もが思い浮かべる服部嵐雪の俳句。

 梅一輪 一輪ほどの あたたかさ

 私は、この句が口をついてでてくると、決まって中学時代の社会科の先生を思い出す。この先生は寒がりで、この時期、梅が咲き始めると、ちょっと前かがみになって両手を合わせてこすりながら、「梅一輪・・・」とやり始める。独り言のように「梅一輪 一輪ほどの あたたかさ・・・いや、梅一輪 一輪毎の あたたかさ、だったかな?・・・どっちだったかな?一輪ごとだな・・・うん、どっちだか知ってる人?ハイ手を上げて!」と社会科の授業そっちのけで俳句の授業となった。所謂脱線授業である。
 昔はこう言う先生が沢山いたものである。この先生は、例えば歴史で川中島の合戦が出てくると、「鞭声粛粛夜河を過る〜」と始まり、上杉謙信と武田信玄の話をたっぷり1時間かけて講義してくれた。時には次の授業に及ぶこともあった。楽しい脱線であった。この先生のおかげで大河ドラマの大ファンとなった。
 中学一年時の英語の先生は漢文が好きで、「世界中の言語で一番似ているのは英語と中国語である。」から始まり、英語の授業を即、漢文の授業に切り替え、黒板に漢文を書いては「これを次の授業までに暗記して来い。」と、宿題を課した。従って一つの漢文に2〜3時間の授業を費やすこともあったが、本人は大真面目で、日本語の文法からみた英語の文法の違和感を払拭するため、このような手法を用いたと思われる。“ゆとり教育”そのものであった。
 今ではこんな授業は夢のまた夢であろう。

 家では大河ドラマを見るのは私一人で、息子も娘も殆ど興味を示さない、それは歴史的事件の名称と年号くらいは覚えていても、中身については何も知らないから、興味も起きないのである。所謂、現代のゆとり教育で育った子供たちは、概ねこんなもののようである。とんだゆとり教育である。今の教師は脱線など許されないどころか、実のところは脱線する知識も持っていないのだろう。
 このように育って来た若者達は、家で梅が咲こうが桃が咲こうが、そんなの関係ねえ、オッパッピーである。

画像

 折角可愛く咲いてくれた花である。せめて可愛いなあ〜くらいは感じて欲しい。

 梅の花が一つ咲いた翌日は二つ目が咲いた。

画像


 その翌日は三つ咲かせていた。

画像

画像


 その翌日は沢山咲いていた。

 「梅一輪 一輪ほどの あたたかさ」は多分、梅の花の咲いた枝を切り取り、一輪挿しに活け、床の間かどこかに置いて愛でていて、口をついて出て来た句であろう。
 しかし、屋外にあって、梅の木が花を一つずつ付ける毎に、気温が上昇してゆく様を思い浮かべるには、「梅一輪 一輪毎の あたたかさ」は、誠に見事な表現である。こう詠むことで、寒い季節に別れを告げることができる。待ちわびた春が直ぐそこまで来ていると実感できる。
 私の中学時代の社会科の先生は、そう言う感性を生徒に植えつけたくて、わざととぼけてみせるゆとりを持っていた。
 昔のゆとりを知るものの一人として、今の教育がこれでよいのかと憂いを待たざるを得ない。

 蛇足ながら、芭蕉の弟子・服部嵐雪の句から転じて、「梅一輪一輪ずつの暖かさ」と言うことわざができていたことを知ったのは、無学ゆえ、ずっと後になってからであった。

画像

画像


 そして、梅の花は今見頃となったが、見頃とは、最早終わりと言うこと。

画像

画像


 暑さ寒さも彼岸まで。そのお彼岸ももう間近なことだ。

※BGMはKasedaMusicLaboさんからお借りした。♪“Prologue” です。

   にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
梅の美しさをじっくりと堪能いたしました。可愛らしくふんわりとピンク色が春の訪れを知らせてくれる感じで、のんびりとした気分になりました。
きゅー
2008/03/09 17:15
この梅、可愛いでしょう。長女が中学の卒業記念に学校から貰ってきたものです。
蕾から開き始める途中の状態は薔薇を思わせる形態で、本当に可愛い奴。色もほんのり上品なピンク色で、とても気に入ってます。

2008/03/09 17:24
たまたま抹茶が飲みたいと、啜りながら鑑賞させていただきました。
どこかの禅寺でシンと一人可愛らしい梅の花を愛でているような錯覚に浸りこめました。有り難う。風さんの授業風景を思い描き、、、いや〜、本当に素敵、と言うか、素晴らしい先生がいらっしゃったのだなーと感動してます。ユトリとはそういう事を指しますよね!だから風さんも本物のユトリある心が育ったのでしょうね。素晴らしいです。
ウルフのスナフ
2008/03/09 17:53
残念ながら、今言われている“ゆとり教育”とは、先生たちにゆとりを持たせるため、土日を休みにしたに過ぎません。
教師も単なるサラリーマンと自ら宣言したようなものです。教職が聖職と言われた時代は遥か昔のこととなりました。ヘ(´o`)ヘ

2008/03/09 18:30
ゆとり教育は失敗でしたよね。結果、教師も生徒もこのしわ寄せを誰かのせいにしようと押し付けて、押し付けたところで自分たちが楽になるわけではないのに・・・こういったことでも未成熟な教師の発言で生徒との信頼関係が無くなり(というか、元々作れない)学校自体が勉強を教えるだけの場になってますよね。

ところで、風さん
ずっと前の日記を拝見して気になったのですが
娘さんは今は元気に過ごされているのでしょうか?
足袋次郎
2008/03/10 08:11
>学校自体が勉強を教えるだけの場に・・・
その勉強すら、塾や予備校の方が遥かに教え方が巧いと随分前から言われてますね。要するに、文科省が日の丸・君が代ばかりにご執心のあまり、現場の先生たちのモチベーションも上がらないのでしょうね。

おかげさまで娘は元気にやっております。未熟な親でした。当時は、励ますことが仇になるなんて思いも寄りませんでした。(ノ_・。)

2008/03/10 09:00
トラコミュ書き込みありがとうございます。
脱線の無さについては、時間数の足りなさをいいわけ?にされる方も多いですね。
でも、自分の子曰く、授業そっちのけで説教する時間はたっぷりあるそうです。
親の我々から見ると、やはり知識の欠如としか思えませんが…。
それでも、親の知らない大変さがあるのは事実でしょうね。
教師が特別だから、ではなく、どんな仕事もその中で大変さがあるものですから。
モニママ
URL
2008/03/10 09:42
私が思うに、新卒でいきなり小・中・高の教員に採用してはいけませんね。三十歳くらいまで民間企業で経験を積んだ人の中から採用すべきと思います。
それから、国は教育に口を出すべきではないですね。金だけたんまり出していればそれでいいのです。

2008/03/10 10:40
こんにちは。風さんのおうちの梅なんですかぁ〜。
梅もなるのかしら…??
素敵な写真ありがとうございます!
えりちゃん
2008/03/10 13:42
ええ、南高梅にも負けない立派な実がなりますよ。
大概、梅ってホッタラカシでも毎年花が咲き実がなるもんですよ。

2008/03/10 14:25
今の教師は脱線する事など許されないどころか、実は脱線する知識を持ち合わせていないのだろう・・同感です!
私もゆとり教育で育った若者(風さんよりは!?)ですが
こんな可愛い梅が庭で日々、
蕾をふくらませていたら何度も
見に行っちゃいますよ。。
愛でてくれる人がいたら、
更にまた、可愛く美しく咲くのでしょうね。

ともちゃん
2008/03/11 09:06
>愛でてくれる人がいたら、更にまた、
>可愛く美しく咲くのでしょうね。
ええ、私が毎日「可愛いぞ」と呟きながら通り過ぎるので、きょうはまた一段と可愛く咲いています。きょうが盛りかな?大分暖かくなりましたから。
花も女性も同じかな?女性は恋をすると美しくなると言われておりますが、きっと愛でてくれる人がいるからでしょうね。
子供の教育も愛情が必要。褒められて伸びる子は多いですね。子供に愛情をもてない教師は即刻自ら退職すべしです。ヽ( ´ー)ノ

2008/03/11 10:20
癒されなんて愛らしい写真の数々でしょうか。
息子達と拝見しました。
今年は受験で沢山の苦悩と喜びをまた息子から経験させてもらいました。
週末は受験の関係で息子と出かけ過ごす時間が多く、沢山の会話が出来る機会が
ありました。
我が家の通勤、通学路はすべての道が桜のアーチになります。
帰り道二人で自転車をこぎながら、寒い時期を乗り越えキュッ閉まった桜の蕾は
入学する頃、一気に咲き乱れる事を木々を見ながら話しました。
そして、乗り越えてこそ見事な花を咲かす事を彼に話しました。

【頑ななまでにじっと小さいまま寒さに耐えていた花芽が漸く膨らみ初めても、一向に寒さが緩む気配はなく、春は足踏み状態だった。】
この言葉の通りに。

幸運な事に子供達の先生は非常に愛情あふれ、人としての育成を重んじて下さる
方に恵まれています。
だから、この花を見て可愛い綺麗と感じ、またほころんでいる梅は、母を思い出させる素敵な日記でした。
クッキー
2008/03/11 22:49
その気持ちを大切にして、これからも精進してください。健闘を祈ります。
息子さんは良かったですね、いい巡り会わせを持てて。

2008/03/11 23:12
いつ拝見しても(^-^)癒されます♪

風さんの撮るお写真からは 優しい時をプレゼントして頂いてます(*^.^*)♪
これから息子の通う高校は駅から学校まで バスでいうと 二つの停留所の距離(^-^) そこは ずっと桜並木に なっているようですo(^-^)o

私は風さんのように、写真は撮れないけど、入学式には その桜並木のお花が咲いているといいなぁ(*^.^*)♪
mana
2008/03/13 09:53
へえ〜!バスの停留所二つ分も桜並木が続いてるんですか?それは凄い!!
咲いたら見事でしょうね。何処だろう?見てみたいな。
ご入学おめでとうございます。

2008/03/13 11:03

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文