映画「エクレール・お菓子放浪記」

 9月11日の昼前、知人から電話が入り、今夜、お菓子放浪記の試写会があるから出て来いとのお誘い。
 「ええっ!きょう?」急な誘いに一瞬戸惑ったが、好きな映画がただで見れるなら、こんないい話はない。原作者の西村滋は四半世紀ほど前、沼津に住んでいて、一緒に反戦運動をやった仲だ。それにサイン入りの初版本をプレゼントしてもらい、どこかにしまってあるはず。確かその頃、テレビの連ドラにもなっていた。断る理由はなかった。その後、静岡に転居され随分と久しい。

 四半世紀ほど前に、7万2千余筆の署名を集め、沼津市議会に対し、「非核都市宣言」を採択するよう請願したのだが、その時の運動母体・「さよなら核兵器の会」の代表になってもらった人物である。あれは見事に失敗であった。7万2千余の市民の気持ちは無残に踏みにじられ、こともあろうに市民の請願でなく市長提案に切り替えられ、その上請願の目的まで、「非核」でなく「核兵器廃絶と平和都市宣言」にすり替えられてしまった。市民の請願は門前払いとなり、市長提案で1987年3月、その前年のチェルノブイリ原発過酷事故が起きたばかりにもかかわらず、態々「核兵器」に限定されて採択され、この件はジエンドにされてしまった。そして今年の福島第一原子力発電所の事故・・・。市内のあちこちに建つ「核兵器廃絶と平和宣言都市」のモニュメントは、今もって私にとっては運動の敗北の象徴であり、当時の市長の抜け駆けの証拠でしかない。

 西村滋って、どんな人?って訊かれれば・・・う~ん、そうだなあ~・・・いつもニコニコしていて、シャンソンが好きなオジサン(その頃は。今はお爺さん)で、そうそう、そう言えば、昔(私が小学生の頃)、花王石鹸のコマーシャルがテレビで流れていたが、その時出て来た三日月さんを思い浮かべてもらえれば一番分かりやすいかな?・・・♪♪ アゴのしゃくれたお月様 お風呂の窓から覗いてる パパと一緒にプンプクリン うぶ湯の時から みんな花王 花王石鹸 花王石鹸♪♪ (これだけ宣伝してやれば、花王石鹸いくらか持ってくるかな?いやいや、ワシャ要らんから映画の券を買ってくれ~。) う~ん将にあんな感じだな。と言っても、若い人たちには申し訳のないことだが、このコマソンは団塊の世代から上でないと分からないかな?
 あの頃は、顎のしゃくれた人は大抵“花王石鹸”と言うニックネームをつけられたものだ。私の一級先輩にも一人居た。あの人も優しい人だったな。今、どうしているだろうか?花王石鹸、懐かしい固有名詞だ。
 西村滋氏も、いつも楽しそうに優しそうに笑っていて、とても豊かな微笑みを持った人だと思う。
 懐かしさがこみあげて来る。

 会場に行ってみると、何んと!ご本人も来ておられ舞台あいさつがあった。随分と高齢になられたとのことだが、四半世紀前と変わらぬ風貌。相変わらず優しそうな楽しそうな顔をされていた。
 今にも、♪♪お菓子の好きな 巴里(パリ)娘 二人そろえば いそいそと 角の菓子屋へ 「ボンジュール」♪♪と歌い出しそうな感じ。
 彼の表情が示す通り、彼の作品のテーマは人間愛だ。幾つになっても変わらず、何処までも人に優しい愛情をテーマとして人生を送られているようである。
 映画・お菓子放浪記も将に人間愛をテーマにしたドラマである。
 彼の描く人の優しさが嬉しくって、涙を流しながらも、心は嬉しくってワクワクしてしまう映画。エクレール・お菓子放浪記はそんな映画である。
 是非一度ご覧あれ。

画像


画像


画像

  「エクレール・お菓子放浪記」上映情報←ここをクリック。

 「エクレール・お菓子放浪記」静岡県内の上映情報←ここをクリック。

 映画「エクレール・お菓子放浪記」公式サイト←ここをクリック。

 上映にあたっての原作者の思い(2011年10月7日沼津朝日新聞)
画像


この記事へのコメント