木花咲耶姫を祭神とする富士山の中腹に沢山の真珠が散らばっていた。なんと言う可憐な、何と言う美しい花だろう?穢れのない純白のこの花は、まるで花嫁の綿帽子。
その昔、烈女・木花咲耶姫は夫である邇邇芸命(ににぎのみこと)に貞操を疑われ癇癪を起し、かつて邇邇芸命より贈られた彼女の首にかかる真珠の首飾りを引きちぎった。その時、純白の大粒の真珠が辺り一面に飛び散った。地に落ちた純白の大粒の真珠に木花咲耶姫の涙が零れ落ち、やがて純白の大粒の真珠のような花を咲かせた。その花はヤマシャクヤクと呼ばれる植物になり、気品あふれる純白の花を咲かせ続け今に至っている。富士山の中腹では今も純白のヤマシャクヤクが初夏になると咲き続けているが、この穢れを知らぬ純白の花は、清く正しく美しく生きているものにしか見えないと言われている・・・このことは、古事記や日本書紀よりももっと古い神話時代の書物・「風の気のままに記」に記されている・・・嘘!嘘!・・・と言うのは真っ赤な嘘!(笑)・・・しかし、そんな風に、この富士山中腹の深い森の林床に広がる小さな世界のことをあれこれ空想しながら歩むと実に愉快だ。(笑)

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この記事へのコメント
雪ん子
清楚な山芍薬の群落に出会えてお幸せでございました。
人の踏み入れる場所に このような花を咲かせていると言う事自体奇跡ですわね。
本当に真珠を転がしたような風情で、それでも静かに咲いています。
まるで夢のような光景です。
私も幸福感でいっぱいでございます。
風