ビッグマウスがミッキーマウスに変わった瞬間
大きく成長を遂げた本田君に感服である。
無回転で美しいまでの弾道を描いてゴールに突き刺さったフリーキックも印象的だったが、それよりも、3点目の岡崎のゴールをお膳立てしたプレーには、我が目を疑うほどの驚きであった。
あの場面、貪欲に2点目を取りに行っても少しもおかしくない場面であった。例え失敗しても、あの展開でのシュートなら文句をつける者も居なかろうと思われる好機。あそこで岡崎に渡しても必ずしも成功するとは限らない。にもかかわらず、それでも態々と言っていいくらいのプレーで岡崎にパスを出している。そこには「俺が俺が」の裸の王様の本田はなりを潜め、チームプレーに徹する本田がいた。
「あそこで2点目を取れなかったのが、オレがストライカーになれない理由でしょう。試合前、岡と、『俺も点取るから、お前も後から入って来て点取れよ。』と話していたので、取れて良かった。」と悪びれずに試合後のインタビューに答える人情味豊かな本田にとても好感がもてた。
2年前、反町五輪監督を批判・・・と言うよりもコキオロシタ小憎らしい本田と同一人物とは思えないほどである。
また、昨年の9月頃には、監督の指示でオーバーラップするDF長友に対し、「オレのスペースを消すな」と、超利己主義な暴言を吐いた本田とはとても思えなかった。あの頃の本田は、味方からパスも貰えずピッチで孤立する裸の王様であった。しかし、W杯決勝トーナメント進出を決めたデンマーク戦の本田は昨年9月の本田とはまるで別人で、完全にチームに融合し、二本目のフリ…