映画「たまゆら」

 下の写真は、土田ひろかず監督作品・映画「たまゆら」http://tamayuramovie.com/ )の上映初日に於ける監督と出演者たちの舞台挨拶の風景である。
 土田は高校の授業では私の斜め前に座っており、律儀にもいつも正しい姿勢で眠っていた。彼の律儀さは若い頃から変わらない。山線(御殿場線)に乗って富士山の麓から2~3時間もかけて沼津まで通ってきていたから相当眠かったのだろう。夜遅くまで勉強していたわけではなさそうだ。高校時代は演劇部に所属し、香陵祭の文化祭では「夕鶴」の与ひょう役を演じた。その熱演ぶりは今でも語り草となっており、充分に同級生たちの酒の肴となっている。演劇部に居たと言うことは俳優を目指していたとばかり思っていたが、卒業して最初に会った時は医者になっていた。一医師としてまた病院経営者として身を粉にして働きながら、少年の心を捨てたことがなく、「政治家になりたい&映画も作りたい」と言う欲張りな夢を一つずつ実現して来た。
 映画は子供の頃からの憧れだったと彼は語る。その夢を実現するため医業の傍ら、老体に鞭打ち、土曜の午後は御殿場から東京の映画学校に通い詰めたとのこと。本格的な映画は今回が初めての作品となるが、習作と言うべきか?以前に2本程作っている。その作品を御殿場の映画館で上映した折、同じく高校の同級生で既に映画監督となっていた原田眞人に酷評され一念発起して映画学校に通ったのかもしれないが、こうして子供の頃からの夢を実現して行くタフさはリスペクトに値する。
 医師として既に成功をおさめた男が、この歳にして映画を作ると言うことは悪く言えば「道楽がつええな」と人は言うかもしれない。だが、よく彼を見つめ直してみるとそうではないことに気付く。彼は常に、「一人の医師としてどうあるべきか」を真摯に考えている。そして自分の理想とする医師像を実現するため常に立ちはだかる医療制度について考えている。その結果が政治家であり映画であると思われる。彼は医療制度改革のため参議院議員に立候補し、一医師としてどうあるべきかを訴えるため映画を作ったのだろう。
 土田は映画「たまゆら」の主人公に語らせる。「医者にとっては大勢の患者であっても、その患者さんにとっては一人しかいない医者だ」と。これが彼のコンセプトであり、彼の目指すところであろう。外見は漫才師のようにふざけて見せていてもそれは彼特有の照れ隠しであり、中身は実に真面目であり「一医師としてどうあるべきか」を常に考える一本筋の通った男である。たまゆらはそんな彼の一面を反映させた映画と思われる。
 エンディングで会場の拍手につられて思わず拍手してしまった。映画館で拍手をしたのは小学生の頃の鞍馬天狗とか紅孔雀とか月光仮面で正義の味方が現れるシーン以来であろうか?
 さて、今度の映画、原田眞人が見たならなんと批評するであろうか?興味津々ではあるが、それはあなた方自身の眼で判断してみてはいかがでしょうか?是非ご覧あれ。

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 ※東京では渋谷のユーロスペースhttp://www.eurospace.co.jp/works/detail.php?w_id=000245 )にて2018年2月24日(土)~3月9日(金)まで上映される。


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